皆さん、はじめまして。

私はストレス予防を専門に活動しているナース(保健師/看護師)の杉本九実です。

 

今回から、ストレス解消を目的としたイベント情報サイト『りーふ』にて週1回のペースで、ストレスや健康についてのブログを書くことになりました。

 

今日は、皆さんが思うストレスの常識を真っ向からひっくり返しちゃいます。ずばり、『ストレスをいやなヤツにしているのはあなた自身』ですよ!というお話。「いやいや、ちょっと待って!いつもストレスでいやな思いをしているのは私のほうなんだけど。」ということばが返ってきそうですが、あなたは本当にストレスのことを理解してあげているでしょうか?

そもそも日常的に「ストレス」ということばを頻繁に使っている私たちですが、ストレスがいったいナニモノなのかきちんと分かっている人はとっても少ないと感じています。

 

よく友達や家族との会話の中で、”ストレスがたまっている”と言っているこの「ストレス」とは、ストレスだと感じる出来事や対象のことを指していることがほとんどですよね?たとえば、恋人との関係がうまくいっていない、上司の○○さんが大っきらいといったように。

 

でも、ちょっとこれ、まちがった解釈をしているんです。ストレスの本当の意味をここで知っておきましょう。

まずストレスの正しい定義は、ストレスの原因となる出来事や対象のことを「ストレッサー」と呼び、そのストレッサーに対処しようとする心や体の様々な反応のことを「ストレス(ストレス反応)」と呼びます。たとえば、恋人との関係がうまくいっていないので、(=ストレッサー)最近不安が強くて仕事に集中できず、ミスをしてしまった(=ストレス反応)というようなかんじです。

つまり、皆さんが日常的に使っている「ストレス」ということばは、ストレッサーのことをさしていたんですよね。ストレスを感じるためには、必ず原因(=ストレッサー)と結果(=ストレス反応)があるということを覚えておいてほしいと思います。

 

毎日生活する中でストレスを感じない日はない現代人。生きていればストレッサーなんて山ほどあるんだから、いちいち反応しなけりゃストレスを感じなくていいのに、って思いませんか?いやいや実はこのストレス反応、人間が生きていく上でとっても重要だったんです。
 

なぜ重要なのか、その答えを知るために人間がまだサルだった頃まで、ちょっとタイムスリップしてみます。想像して下さい、あなたは太古の昔に生きるサルです。獲物を探すために広い草原を歩いています。やっとのことで獲物を狩って食べていると、そこに大型の肉食動物が現れました。獲物を横取りしようとこちらに近づいてきます。さあ、サルのあなたはどうしますか?「自分がせっかく捕まえた獲物なんだから横取りされてたまるか!闘ってやる!」もしくは「これは自分よりも強い相手だ。負ける可能性のほうが高いから逃げよう」とこの二つの感情が湧くはずです。実はこれこそがストレス反応の原点なのです。
 

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専門的にはこの反応のことを、闘争か逃走かの反応(fight-or-flight response)と呼び、ストレス反応の正体であると言われています。ストレッサーとなる肉食動物からの脅威に対して闘うのか逃げるのか、その判断をするシステムがストレス反応であり、これがあることによってサルだったころの人間は、とっても危険な環境を生き延びることができたのだそうです。

 

つまり、「ストレス」という一連の現象は、私たちが生き延びるための手助けをしているものであり、遺伝子に組み込まれた生きるための重要なシステムだったんです。「ストレス」は決していやなヤツではなかったんですよね。むしろ、これがないと人間はすぐに死んでしまいます。

 

しかし、こんなすばらしいシステムを持っている私たちがなぜ今、「ストレス」にとりつかれ、襲われてしまうのでしょうか?
 

その答えは、私たち自身がストレッサーを多く作り出したことで、ストレス反応システムの許容範囲を超えてしまったからです どんな些細な出来事でも、脳や体にとって危険だと認識したものに対しては、サルだったころの人間と同じような反応をしてしまいます。そのため、日常生活上どこにでもころがっているストレッサーから身を守るために常にストレス反応システムを動かし続けている結果、機能オーバーになり心と体に不調をきたし病気や障害を引き起こしてしまうのです。
 

そう、「ストレス」をいやなヤツにしているのは、まぎれもなく私たち自身だったんです。

自分にとってマイナスなことやいやなことは、なんとなくまわりのせいにしがちだと思います。でも、自分自身がそういった原因を作り出し、自分を守ってくれている体にダメージを与えているということを知っておいてほしいと思います。